Journal of the American Chemical Society 10月23日号(146巻42号)掲載の論文のうち、有機光化学に関係する論文を紹介する。数は2報。
1. Asymmetric Photoinduced Excited-State Nazarov Reaction (X. Qiao, S. Zhai, J. Xu, H. He, X. He, L. Hu, S. Gao, J. Am. Chem. Soc. 2024, 146, 29150–29158)
ジビニルケトンの不斉光ナザロフ反応の論文。触媒としてキラルなチオ尿素を用いている。基質にアセタール(1,3-ジオキソラン部位)を持たせると触媒との水素結合がより強固になり、良好なエナンチオ選択性で目的物が得られるとのこと。
2. Multicomponent Construction of Tertiary Alkylamines by Photoredox/Nickel-Catalyzed Aminoalkylation of Organohalides (T. Yang, W. Xiong, G. Sun, W. Yang, M. Lu, M. J. Koh, J. Am. Chem. Soc. 2024, 146, 29177–29188)
4CzIPNとニッケル触媒を用いた、三成分連結型の第三級アミン合成の論文。第二級アミンとアルデヒドから作ったイミニウムを一電子還元し、これをニッケル触媒下でアリールハライドとカップリングさせる。さらにアルケンを挟んだ四成分連結型反応も開発しているほか、不斉反応にまで展開している。